老舗アウトドアメーカーsnow peakとDannerがタッグを組み
「Danner Field Pro.」をリリースしました。
ベースとなるのは3月にリリースしたばかりの新製品「ダナーフィールド」。
ダナーフィールドは名作ダナーライトを踏襲しており、正当な後継モデルといえます。
製造工程全般を見直し価格はダナーライトの半額以下と、非常にリーズナブルです。
「ダナーライトは高値の花」と思っていた方にも十分手が届くでしょう。
当記事ではダナーフィールドの詳細スペックとダナーフィールドプロの紹介を解説していきます。
なお、ブログ掲載を快諾していただいたsnow peak広報担当の方につきましてはこの場を借りて御礼申し上げます。
Dannerとは
1932年チペワフォールズでチャールズダナーが安い仕事用ブーツを5人の労働者と一緒に作り始め、一足4ドルで売ることから始まる。チャールズダナーがオレゴン州ポートランドでビジネスを展開。当時、質の高いチョークロガーを作り始めて一足20ドルで売り始める。
1959年、アメリカで初めてビブラムソールを用いたシューズを開発し、ダナーのマウンテントレールが一番登りやすいブーツとバックパッカー雑誌に取り上げられ、ダナーは ハイキング業界でプレミアなブランドとなりました。1979年には、靴企業では初めて”ゴアテックス”を使用したシューズを展開し、「ダナー」ブランドは確固たる地位に。
「軽量」で「快適」、1足、1足を厳選された素材で、時間をかけて丹念に手作業でシューズを作り上げる、というスタンスは今でも変わらない。ダナー公式HPより引用
1932年創業のアメリカの老舗ブーツメーカーです。
はじめてブーツにGORE-TEX®を使用したことや
MADE in ITALYのVibramソールをいち早く取り入れたことで有名です。
その名を一躍有名にしたのが1979年発売の”Danner Light”のリリースです。
コーデュラナイロンと革を組み合わせることで軽量化を図り
履き口をコーデュラナイロン素材にすることで足へのフィッティングを高め
当時ブーツといえば重くて履きにくいという常識を根底から覆したのです。
「ブーツは足になじむまでが大変」と言うことは全くなく
履いた時から抜群のフィット感を誇ります。
Danner商品の値上げ
2016年9月1日より主要モデルの大幅な値上げがありました。
かつては4万円台で購入できたダナーライトが今や6万円近くします。
「一生モノのブーツ!」と思えば安いものですがやはり財布事情を考えるとなかなかその額を一括で払うとなるとかなりの決心が必要です。
履くほどに足になじみソールを交換すれば10年でも20年でも履けることを考えると
1年でスニーカーを何足も買うよりずっと財布には優しいのですが二の足を踏んでしまうことが多いでしょう。
この価格改定以前にもダナーライトの廉価版にあたる
ダナー D-7009 MUGHO ダナーライトタイプ
というものを発売していましたが、残念なことにGORE-TEX®は非搭載でした。
<D-7009 MUGHO>出典:楽天
定価27000円というリーズナブルな価格、ビブラムソール採用で話題を集めましたが
「完全防水」だからこそダナーライトという認識も多かったようでいつの間にか姿を消しました。
ダナーフィールド発売
2018年3月に「ダナーライトの後継」を謳うダナーフィールドが発売されました。
価格はダナーライトの半額以下です。
以前発売されていたMUGHOのようなノンゴアテックスではなくGORE-TEX®ブーティー搭載の完全防水ブーツです。
生産国
ダナーライトが本国アメリカポートランド州に対してダナーフィールドの生産はベトナムです。
恐らく、生産コストに大きく影響しているのだと思います。
ダナーとしてはかなり思い切った選択だったのではないでしょうか。
「安くて良いものを」という創業当時の理念を貫いた結果だと思います。
GORE-TEX®採用
ダナーライトと同じく
インナーにゴアテックスブーティーを採用しています。
ゴアテックスとは簡単に言うと、外からの水分の侵入は防ぎ中からの水分は逃すという二律背反のことを同時にこなすハイテク素材です。
これによって蒸れやすいブーツの中も快適に保ってくれます。
ビブラムソール採用
こちらもダナーライト同様、通称クレッターリフトソールといわれる
「Vibram #148」ソールを搭載しています。
そしてもちろん、ソールの交換が可能となっています。ダナー伝統のステッチダウン製法で作られているため靴底部分のみの交換が可能となっています。
純正インソール付属
純正インソールはOrthorite(オーソライト)というものが使用されています。
スニーカーでよく採用されているものをみかけるようになりました。
オーソライトとはポリウレタンを発砲させて作ったスポンジ素材です。
細かい無数の穴が開いています。
メリットは
- 軽量クッション性に優れる
- 通気性がよく、靴内部の湿度のコントロールができる。
- 抗菌、防臭作用
- 丸洗いできる
というインソールにとって必要な条件を
すべて満たしています。
ダナーライトにはインソールが付属しておらず
後程購入する必要があったため、インソール付属は非常に嬉しいですね。
レビュー
では早速レビューします。
品質
「生産国がベトナム」という点では少なからず不安があると思いますが
ステッチの処理も非常に丁寧で、本家ダナーライトと比較しても
まったく品質に差はないように思いました。
海外製品でみられるのは
ステッチがほつれていたり、均等でなく雑だったりするのですが
靴底とブーツを接着する縫い目をよく観察しても
非常に目が細かく均等に縫われており、仕事の丁寧さが伺えます。
革質
ダナーライトと同じく「ウォータープルーフフルグレインレザー」と使用しています。
比べてみても全く見劣りする感じはなく、違いはないように感じました。
近年のダナーライトは黒タグ時代のものに比べて
革の塗装が染料系の染みこませて着色するのではなく
顔料系の上に塗料の膜をのせてコーティングするようなものになっています。
このため、膜が張ったような感じになってしまい
履きこんでいくとビニールのようなしわになってしまいます。
(左:ダナーライト 右:ダナーフィールドプロ)
これに対してダナーフィールドは、若干マットな仕上がりになっており
オイルドレザーに近いような風合いになっています。
ダナーライトに比べると経年でエイジングされやすいのは
ダナーフィールドの方かと思われます。
履き心地
(左:ダナーライト 右:ダナーフィールドプロ)
ダナーライトに比べると70g近く軽くなっています。
たった70gですが、履き心地としてはまったく違います。
やはり靴は軽い方が断然履きやすいです。
オーソライト製のインソールと相まって
非常にクッション性に富んで履き心地がいいです。
もはやブーツを履いているとは思えないくらいです。
仕様の違い
(左:ダナーライト 右:ダナーフィールドプロ)
ダナーライトは靴紐を通す穴(シューホール)の上3つがフックになっており
そこに引っ掛ける形で紐を締め上げます。
確実に締まるのですが、引っ掛けて締めて…という作業は地味に時間がかかります。
その点、ダナーフィールドはシューホールの上3つを通常のシューホールにしているので
締める、緩める、といった作業が非常にやりやすかったです。
そしてダナーのロゴがヒール後面ではなく、側面に来ていました。
(左:ダナーライト 右:ダナーフィールドプロ)
ダナーライトに比べてくっきりしっかり型押ししてあるため非常にかっこいいです。
(左:ダナーライト 右:ダナーフィールドプロ)
特筆されていませんでしたが、サイドのコンビネーション素材はどうやらコーデュラナイロンではないようです。
ただ、手触りとしてはナイロン素材で、大きな違いは見られないように思いました。
カラーラインナップ
ダナーライト定番のカラーリングを彷彿とさせるカーキ×ブラウン
非常に人気の高かったセダ―レインボーを意識したダークブラウン×ブラウン
アウトドア色を抑えてよりアーバンな印象を与えるブラック×ブラック
出典:ダナー公式HPより
加えて、スノーピークとコラボしたダナーフィールドプロは
BLACKとGREGIOの2色展開です。
ダナーフィールドプロ発売
スノーピーク×ダナー ダナーフィールドプロは6月9日に発売されました。
スノーピークは本社を新潟県三条市に構える
1958年に創業した老舗アウトドアメーカーです。
今年で創業60周年になります。
カラーラインナップ
・BLACK ・GREGIO
出典:スノーピーク公式HPより
注目はGREGIOカラー。
スノーピークのテントで使用されているカーキ色をベースに
アクセントとしてスノーピークで使用されているキャンプ用のロープと
アルミ製の自在鉤をあしらったデザインとなっています。
スノーピークファンにはもうたまらない配色デザインですね!クール!
ブラックはGREGIOをベースにシックに全体を黒で統一。
アクセントのメタリックレッドのシューホールがきらりと光り
おしゃれさを演出しています。
販売情報
スノーピークに問い合わせたところ、既に「生産終了」との回答を頂きました。一時、品切れになった直後に一部のネットストアで再入荷した以降は再入荷はされていません。
スノーピークとのコラボ製品は大体、事前に予約注文を取る場合が多く、予約注文以外は余剰分はほとんど作らないようなシステムのようです。
残念ながら、ダナーフィールドプロが欲しい場合はたまにヤフオクで見かける中古品を探すほかなさそうです。
ダナーフィールドももちろんおすすめ!
個人的には長く使う一生モノになりうるのは定番カラーのダナーフィールドも捨てがたかったので
ダナーフィールドプロのGREGIOとダナーフィールドのBROWN×TANを所有しています。
ダナーフィールドプロが残念ながら、生産終了でも、十分魅力的なレギュラーラインナップがありますよ!
ダナーフィールドプロとの違いは「色」のみです。ダナーライト譲りの機能性の高さは折り紙付きです。
あなたのお気に入りの一足が見つかるといいですね。
ダナー製品の問い合わせは下記からお願いします。
(問)ダナーインフォメーション Tel:03-3476-5661 http://jp.danner.com/index.html
この記事の著者|Ryosuke Kawamura
GreenEchoes Studio代表/GreenTimesライター
新潟市中央区にあるWEBサイト運営事業「グリーンエコーズスタジオ」の代表をしています。
このサイトはすべて代表である河村の趣味であるブーツを徹底的にレビューしています。
- 運営企業:GreenEchoesStudio
- 連絡先:info@greenechoes-studio.com
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